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馬券予想理論 (2/4)
2003年04月03日(木) 馬券予想理論(復刻)−1
2003年04月15日(火) 馬券予想理論(復刻)−2
2003年04月27日(日) 馬券予想理論(復刻)−4
2003年04月29日(火) 馬券予想理論(復刻)−5
2003年05月21日(水) 馬券予想理論(復刻)−6
2003年05月27日(火) 馬券予想理論(復刻)−7
2003年06月16日(月) 馬券予想理論(復刻)−8
2003年06月18日(金) 馬券予想理論(復刻)−9
2003年06月22日(日) 馬券予想理論(復刻)−10
2003年07月14日(月) 馬券予想理論(復刻)−12
2003年07月16日(水) 馬券予想理論(復刻)−13
2003年07月18日(金) 馬券予想理論(復刻)−14
2003年07月24日(木) 馬券予想理論(復刻)−15
2003年07月28日(月) 馬券予想理論(復刻)−16
2003年07月30日(水) 馬券予想理論(復刻)−17
2003年08月01日(金) チェックメイト活用/フォローアップ
2003年08月05日(火) 馬券予想理論(復刻)−18
2003年08月07日(木) 馬券予想理論(復刻)−19
2003年08月11日(月) 馬券予想理論(復刻)−20
2003年08月13日(水) 馬券予想理論(復刻)−21
2003年08月15日(金) 馬券予想理論(復刻)−22
2003年08月19日(火) 馬券予想理論(復刻)−23
2003年08月23日(土) 予想掲示板・投稿予想の結果
2003年09月02日(火) 馬券予想理論(復刻)−25
2003年09月04日(木) 馬券予想理論(復刻)−26
2003年09月08日(月) 女子マラソンが教えてくれること−6
2003年09月10日(水) 女子マラソンが教えてくれること−7

馬券予想理論(復刻)−1 [2003年04月03日(木)] 
当コーナーでは約2年前に馬券予想理論の解説を何度か掲載しましたが、初回の掲載からかなり時間を経過しましたので、若干の追加情報を含め復刻掲載いたします。
 
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【暗号馬券理論の探究】
 
私(杉本)は馬券理論に関してはオールラウンダータイプである。国内外の幅広いデータによる長期間の研究により、スポーツ的な分析理論、スピード能力理論、オッズ解析理論など、それぞれに客観性の高い戦術の構築を目指している。
 
また、いわゆる「競馬暗号」についても、オカルトとして切り捨てず、独自のパラダイムによって、「競馬奥義」の中で紹介したチェイシング方式のような、確度の高い戦術として実用化している。その「暗号」についての研究は、かれこれ足掛け30年になるが、本日はその端緒について書いて見たい。
 
「競馬(の出馬表)には結果を示唆する暗号がある」ことを前提にした馬券戦術を、広く世に知らしめたのは昭和50年代後半の高本公夫氏の諸著作である。但し、「暗号」の存在自体は、それ以前からコアな馬券ファンの口の端にのぼることも多かった。
 
例えば、井崎脩五郎氏などは昭和40年代後半から、競馬週刊誌のコラムで暗号的な話題を取り上げおり、私もいろいろな実例を見聞しその当時から競馬暗号に関心を持っていたが、本格的に研究するに至ったのは、「昭和49年のダービー」がきっかけである。
 
この年のダービーは、初の単枠指定馬となったキタノカチドキが大本命馬であったが、当時馬券ファンの間では、「ダービーでは1番人気馬と同行の頭文字を持つ馬が配置された枠が連対する」、という法則が有名であった。
 
この年、キタノカチドキと同行、つまり「カキクケコ」行の頭文字を持つ馬は3頭出走しており、1枠・2枠・5枠に配置されていた。そして、大本命馬キタノカチドキは3着に敗れたが、枠連は法則通り2−5で決着したのである。
 
また、当時のダービーは28頭立てだったので、各枠3頭以上となっていたが、2枠の3頭は全て父馬がセダンという特異な配置となっており、その中から優勝馬が出た。この、法則通りの枠連結果、優勝枠の配置の異常さに何らか「裏」の意味があるのではないか、と考えたことが私の「暗号解読」の原点である。
 
その後研究を進める中で、大きな突破口となったのは五冠馬シンザンである。この馬を徹底研究することにより、20数年後の現在まで普遍性を保つ暗号パラダイムを見出すことが出来たのである。その具体的な鍵については、既に有料暗号解説メールの中で解説した通り。
 
何れにしろ私の「暗号解読」理論は、高本氏により暗号の存在が周知のものとなる以前に完成しており、以来30年間近いの鍛えが入っているので、促成栽培された巷間の多くの自称「暗号馬券理論」とは一線を画する内容であると自負している。

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馬券予想理論(復刻)−2 [2003年04月15日(火)] 
約2年前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の復刻版の2回目です。
 
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【臨戦過程理論の探究】
 
前回は「暗号解析」研究の履歴について書いたが、私が最初に取り組んだ馬券戦術の研究は「臨戦過程解析」であった。今で言うG1レースについては、昭和43年頃から見ているが、下級条件まで含む全てのレースについて分析を始めたのは昭和47年〜48年頃なので、この分野は約30年の研究キャリアということになる。
 
「臨戦過程解析」を研究の中心に据えたのは、様々な見聞から日本の競馬の大半では、「出走馬の関係者が、今回その馬をどのように走らせるつもりか」が勝敗を決する最大ファクターであると判断したからである。当初からこのような方向性が定まったのは、当時のギャンブル場には、戦後の混乱期を生き抜いてきた筋金入りのプロも多く、そうした方たちからの薫陶の賜物である。
 
以来30年、レースの出走馬は、「勝とうと考えている馬」の他、「厩舎、馬主の戦略判断で勝ちたくはないが上位入賞を狙う馬」、「次回以降の為の調整或いは要件取得の馬」、「勝負に出る馬の援護の馬」、「騎手の判断に委ねられている馬」、「最低限の入着賞金が目当ての馬」、「馬主の要請で無理を承知で出てきた馬」、などさまざまであり、まずその仕分けを行わなくてはならない、という予想に際しての基本的な考え方は変わっていない。
 
それを客観的かつ簡便に行うための研究を積み重ねてきたわけであるが、その成果の一端は、シェアソフトZ−Masterの機能として反映している。いずれにしろ、漠然と「全ての出走馬は全力を尽くす」ことを前提に予想をしていては、馬券を的中することは出来ない。臨戦過程解析により、勝負態勢の馬を絞った後で、「馬が関係者の期待に応えられるのか」、について、能力と状態、或いはオッズなどで検討するという手順が効率の良い方法であるといえるだろう。
 
一方、この「臨戦過程解析」と「暗号解析」的な考え方を融合させるという馬券戦術の方向も有力な手段である。私がこの点に開眼したのは昭和55年のダービーであった。
 
昭和49年日本ダービー
1着 コーネルランサー 皐月賞2着馬
2着 インターグッド  
枠連;2―5 1690円
 
まず、これは前回「暗号」編でも取り上げた昭和49年のダービーの結果である。これを踏まえて昭和55年のダービーの出馬表を見たとき閃くものがあった。
 
昭和55年日本ダービー
1着 オペックホース 皐月賞2着馬
2着 モンテプリンス  
枠連;2―5 610円
 
昭和55年は49年と同様に、結果的に皐月賞の2着馬が勝つのであるが、問題は2着の馬の「臨戦過程」である。インターグッドとモンテプリンスには、2歳時に同じレースをレコード勝ちしている、という戦歴の共通点があるのだ。
 
つまり、昭和55年がオペックホース⇔モンテプリンスで決着すれば、皐月賞2着馬と2歳時に同じレースをレコード勝ちした馬という、「臨戦過程」から見て極めて49年と類似性の高い結果になるわけだ。そして、昭和55年の出馬表はもしそうなると「枠連の結果」も49年と同一になるような配置だったのである。
 
予想通り、昭和55年は枠連2―5で決着し、私はこの時、「臨戦過程」の類似性は「出目」の連動につながっている、という大きな原則を認識したのである。
尚、この面からの馬券攻略については、まもなくの公開を予定している新しいシェアソフトに搭載する「競馬奥義」の中で解説する予定である。

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馬券予想理論(復刻)−4 [2003年04月27日(日)] 
約2年前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の復刻版の4回目です。本日は2001年1月にプロ的な視点について解説した一文の復刻掲載です。
 
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【プロの目の付けどころ】
 
 少々古い事例になるが、1987年にニッポーテイオーが秋の天皇賞を勝ち、その翌月に当時の年齢表記で4歳限定であったエリザベス女王杯を妹馬のタレンティドガールが制したことがあり、偶然その翌年にも、全く同じパターンで、兄タマモクロス、妹ミヤマポピーによる秋の天皇賞・エリザベス女王杯の兄妹制覇があった。
 
このような巡り合わせの不思議は、勝負において意味を持つことがあるので、プロは必ず頭に入れておく。そしてこの事例は1995年に役立つ時が来る。この年、サクラチトセオーで秋の天皇賞を制した小島太騎手(現調教師)が、その妹馬であるサクラキャンドルでエリザベス女王杯に臨んでいたからだ。
 
ここでプロは次のように考える。
 
ニッポーテイオー・タマモクロス兄妹による、秋の天皇賞・エリザベス女王杯の制覇は競馬サークルでは周知の事実であるから、当然小島太騎手も知っている。
    ↓
そしてその事実から、勝負事における巡り合わせ、諺(げん)かつぎと言う意味で、小島太騎手はある種の期待と自信を持っている筈であり、そうしたものは、勝負に臨んで案外に力になるものである。
    ↓
そのような観点から、それなりの配当が期待出来るならば費用対効果という視点により、サクラキャンドルに賭けて見る手は十分にある。
 
結果はこのサクラキャンドルが10番人気で勝ち、単勝2650円、5番人気のブライトサンディーとの組み合わせの馬連は万馬券であった。
 
このような「勝負の機微を馬券に生かすこと」を常に心がけていることが、「プロの目の付けどころ」の一つのである。
 
(付記)
少しキャリアのある方ならご存知のことと思うが、サクラキャンドルに騎乗していた小島太騎手(現調教師)は、特に晩年は最後方待機などレース運びが極端で、ファンに罵声を浴びることが少なくなかった。その原因については、目が悪く積極的に馬群に入れられなかったため、と云われている。

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馬券予想理論(復刻)−5 [2003年04月29日(火)] 
約2年前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の復刻版の5回目です。本日は2001年4月に掲載したプロ的な視点について解説した2回目分の復刻掲載です。
 
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【プロの目の付けどころ−2】
 
馬券戦術構築原則1;
競馬番組の設定趣旨、及びスポーツとしての競馬、つまり広い意味での「競馬の常識」に精通し、それを前提とすること。
 
馬券戦術構築原則2;
直接本質を衝いてはいない多くの競馬情報を、役立つ情報へと変換することが出来る、正しい統計知識を持っていること。
 
独自の競馬必勝理論を創案するためには、基本として以上のような原則を踏まえることが必要である。
以下、その辺りについて事例を含めて解説してみたい。
 
例えば、競馬場のコース形態によっては、明らかにゲート番号による有利、不利が生じている場合がある。そして、「競馬の常識」に基づいて考える時、次のような可能性に思い至る。
 
現在の馬券の主流は「連勝式」であり、管理が徹底している日本の競馬においては、「連勝の出目」はゲートの有利・不利を超越して意識的にコントロールされている可能性が高い。
     ↓
そのため、ゲートに有利・不利がある場合、飛びぬけた実力馬を不利な枠に起用して連対させ、帳尻を合わせるような調整方向が考えられるところである。
     ↓
反面、レースがしやすいゲートには、その有利さを生かしそれなりの成績を収められるという意味で、不安定な連対候補も配置されることが多くなる。
     ↓
この不安定なタイプの馬は例え人気サイドであっても相対的にはオッズが高いことが多く、馬券の対象としては費用対効果に優れる。
 
こうした推論に基づき、ゲートの有利・不利でグループ分けし、単純な四則計算ではない「統計処理」により解析すると、「有利なゲートの人気サイドの馬(不安定な連対候補)の単勝を狙う」という単純な戦術で130%〜150%の回収率を得ることが出来るのである。
 
※どの競馬場の、どの距離のレースで何番ゲートを狙うのか?といった具体的な点は、今後公開いるソフトの「競馬奥義」などで解説いたします。

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馬券予想理論(復刻)−6 [2003年05月21日(水)] 
以前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の再編集復刻版の6回目です。本日は約1年前に掲載したギャンブルのコツについての解説の復刻掲載です。
 
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【ギャンブルのコツとは?】
 
トップページの「Q&A競馬編(共通の質問)」には、次のような解説を掲載している。
 
Q: 競馬予想のコツとは?
 
A: 競馬には「予想が可能なレース」と、「やってみなければわからないレース」がありますから、前者の度合いの高いレースを探すという姿勢を持つことがコツといえます。
 
また、ギャンブル一般で留意しなければいけないといわれるのは、
 ・ルールに通暁すること
 ・技術を磨いた上でオリジナリティを持つこと
 ・確立した自分のスタンスを押し通すこと
 ・負けないためではなく勝つための戦術を選択すること
 ・均一に進めずに濃淡を付ける、つまり勝負どころを見出す努力をすること
 ・常に自分を律し客観性を保つこと」
などです。
馬券で勝てない方は全てこの逆を行っていることが多いようです。
 
× × × × ×
 
上記のQ&Aについてやや具体的に補足しておくと次の通りである。
 
 ・ルールに通暁すること
   ↓
競馬番組に知悉することは最低限の必須条件である。また、広義の暗号馬券にアプローチするならば主観に頼らず統計による確固たるルール化が必要である。
 
 ・技術を磨いた上でオリジナリティを持つこと
   ↓
自分の技量、性格、環境に適合した「予想」方法を確立する必要がある。戦略に欠けた作業の繰り返しでは上達は望めない。
 
 ・確立した自分のスタンスを押し通すこと
   ↓
まず最初は一つの戦術のエキスパートとなるための創意工夫が必要である。「他者に認められ満足する」ではなく、「自分自身が納得する結果を出すことが全て」という価値観を持つことが必要という意味でもある。
 
 ・負けないためではなく勝つための戦術を選択すること
   ↓
ギャンブルは狩猟である。飛躍なしの積み重ねだけでは結果は出ない。徹底した勝利の追及により飛躍を生み出すことが必要。
 
 ・均一に進めずに濃淡を付ける、つまり勝負どころを見出す努力をすること
   ↓
下手な鉄砲はいくら撃っても当たらない。
 
 ・常に自分を律し客観性を保つこと」
   ↓
(決して)あせるな、(不運に)おこるな、
(的中を)いばるな、(外れに)くさるな、
(自分に)まけるな、
ギャンブルではこの精神を常に忘れずに。

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馬券予想理論(復刻)−7 [2003年05月27日(火)] 
以前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の再編集復刻版の7回目です。本日は約2年前に掲載したプロフェッショナル・ギャンブラーについての紹介記事の復刻、再編集掲載です。
 
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【プロフェッショナル・ギャンブラーとは?】
 
 類は友を呼ぶではないが、国内外にプロギャンブラーの知己が何人かいるので、それがどんな種類の人間であるのか紹介してみたい。但し、ここで言う「プロ」とは、常時大きな金額を張り取りして勝ち続けている人間のことで、ただ単にギャンブルが好きでのめり込み、何とか凌いでいるタイプのことではない。
 

まず、圧倒的な腕前を持つプロギャンブラーに「ギャンブル好き」は皆無であるといって良い。常勝レベルのプロは、ギャンブルという分野で他人よりも高い能力を発揮することが出来るので、最も効率の良い収入手段として専業でギャンブルやっている、というタイプの人間ばかりである。
 
押し並べて仕事であるギャンブルに対しては物凄くシビアであるが、それ以外ではロマンティストというイメージの人物が多い。つまり、ギャンブルのプロというと、その世界の中でのみ暮らしているような印象を受けるかも知れないが、それは単なるマニアであり、高レベルのプロは必ず他に本拠となる世界を持っている見識の高い人物が多い。
 
印象としては、大胆にして細心のように、どこかしら二律相反する性格の持ち主であり、常人離れしているという意味で正気と狂気の狭間に居るような人物が多く、共通するのは、飛びぬけて博覧強記で、記憶力、観察力、分析力に優れ、決して予断で物事を判断しない、といった辺りである。
 
また、ギャンブルの実戦では、「賭けた勝負は必ず勝つ」ことを基本としている。すなわち、ある勝負でどう勝つかではなく、あらゆる要素を統合判断して勝つことが出来る勝負は何処か、を常に見極めているわけだ。競馬でいえば、「買った馬券は必ず当てる」という目標設定である。
 
 傑出したプロが常々最も留意していることは、自分が生きるための場を確保することである。賭ける場所がなくては成り立たない商売であるから、強引な張り取りはせずに、広く浅くを心がけてなるべく多くの猟場の保護に努める。日本の中央競馬のように極度に規模が大きいというのは、荒れ難い猟場なのでそれだけで大変ありがたい存在なのである。
 
もっとも、常勝態勢のプロはそう長くはギャンブルには拘わらない。元々好きでやっているわけでもないので、ある程度の金額を勝ってしまえばそれ以上続けて知力、体力を摩り減らしつつ時間を浪費する必要など無いからだ。修行時代は別にしてせいぜい10年、その中でも真摯に取り組むのは3年程度が平均であろう。後は、本来取り組みたいと考えている世界に戻ったり、私のように後進の指導を志したり、或いはモナコやローザンヌで悠悠自適に過ごしたり、といったところである。
 
しか、こうしたレベルのプロは、文字通り「選ばれし者」であり、志しても誰もがなれるわけではない。囲碁や将棋のプロを目指しても簡単にはなれず、また、プロになってもタイトルを手に出来るのはほんの一握りの人間であるのと同じヒエラルキーである。
 
ただ、逆に言えば、囲碁や将棋の正しい定石、定跡を学び研鑚を積めば、多くの人がアマチュア2段ぐらいまでは努力で昇段出来るのと同様に、馬券も正しく取り組むことにより、開催日毎の常勝は不可能でも開催、或いは3カ月毎のトータルで勝つことは可能である。
 
その為には、競馬の知識、馬券の技術を蓄えることはもちろん、ギャンブルというジャンルには必須の、勝負哲学というものも確立する必要がある。具体的に言えば、勝つための動機付けであり、「競馬奥義」シリーズの中でも解説した運(ツキ)の活用であるが、馬券で勝てない人には例外なくこれが欠けている。
 
潜在的に「負けもやむなし」という部分があって、行き当たりばったりに同じ過ちを延々と繰り返しているレベルは論外であるが、「楽しみだから外れても良いが、出来れば的中させたい」という程度の意欲では勝つことはまず出来ない。ギャンブルとはそれほど甘いジャンルではない。
 
絶対に勝たなければならない、という何らかの動機付けが得られて初めて殻を破ることが出来る。ここが勝敗の分岐点であり、これを乗り越え技術を完成させれば必然的に「如何にして幸運の女神を振り向かせるか」に考えが及ぶ。
 
この「運(ツキ)を掴む秘訣」について、傑出したプロが意識して注意していることが、大きく分けて二つある。その一つは、上記でも触れた「決して予断で物事を判断しない」という姿勢である。つまり、「自分が絶対に正しい」と思い込むことなく、謙虚にものごとに対処しないと幸運の女神が逃げてしまうことを経験により会得するわけだ。
もう一点の秘訣については、「情報メール」で紹介させていただくこととする。

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馬券予想理論(復刻)−8 [2003年06月16日(月)] 
過去に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の復刻版8回目です。本日掲載するのは、4月27日付け馬券予想理論(復刻)−4で復刻した一文の続編の加筆修正版です。
 
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【流れを読む】
 
馬券予想理論(復刻)−4で巡り合わせの事例として取り上げた小島太調教師は、ご存知の通り2001年の有馬記念で調教師として初のG1制覇を成し遂げた。
 
その折りにTV番組「笑っていいとも」で、それほど競馬に興味が無い司会のタモリさんが言及するほどに話題となったのは1着・2着馬の馬名である。
 
すなわち、1着マンハッタンカフェ、2着アメリカンボスという馬名は、甚だ不謹慎な話ではあるが、2001年を代表する大事件となった米国同時多発テロを彷彿とさせ、1年の締めくくり的な意味合いの濃い「有馬記念」に嵌りすぎではないか、という見方である。
 
勿論、事件があろうとなかろうと小島厩舎のマンハッタンカフェは有馬記念を制覇していた筈であり、これもまた勝負事の機微に類する偶然であろう。
 
ところが巡り合わせというものは面白いもので、小島太調教師は2002年皐月賞でもタイガーカフェという、当時の星野・阪神タイガース快進撃という時流に乗った馬名を出走させることになる。
 
タイガーカフェの小島厩舎は有馬記念でも偶然世間の話題に合致する有力馬で勝ったこと、野球のタイガースの好調はオフシーズン時点では考えられなかった意外な出来事であることを考え合わせると、この巡り合わせもプラスに働きそうな感が強かった。
 
タイガーカフェは当サイトのG1情報メールで注目馬として取上げた馬であり、スポーツ的な裏付けもあった馬でもあるが、こうした巡り合わせに支えられた感のあるという意味でも買って見たい馬である。
 
なぜなら、このように偶然を紡ぎ合わせてその裏側に流れを見出すというアプローチから馬券を買い続けると、思わぬインスピレーションに恵まれることが少なくないからである。
 
(この稿の続編は高度情報で配信いたします)

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馬券予想理論(復刻)−9 [2003年06月18日(金)] 
本日は馬単攻略の参考として、今回と次回は2年前にZシリーズ情報メールへ掲載した「単勝穴馬券的中」の考え方についての記事を加筆、再編集の上掲載いたします。
 
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【単勝穴馬券の的中/基本的な考え方】
 
単勝の穴馬券を的中させるためには、まず人気馬、特に1番人気馬が負ける確率が高いレースを選択する方法を考案することが効率的であるといえます。
 
つまり、何らかの形で1番人気馬が負け易いレース群を選び出し、そのレース選択の基準に応じて穴馬を発見するためのルールを構築する、という手順でアプローチすればよいわけです。
 
こうした方向性について、シェアソフト「チェックメイト」を活用した具体例をご紹介いたします。
 
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【チェックメイト活用の事例】
 
・1番人気馬が負ける確率が高いレースを選択するルールを考案する。
   ↓
・シェアソフト「チェックメイト」の指数X値、Y値、T値が全て低い構成のレース群は、人気馬が負けやすい傾向なので、そうしたタイプのレースを狙い対象とする。
 
・そのレース選択ルールに応じて、今度は穴馬を発見するため のルールを構築する。
   ↓
・X値、Y値、T値が全て低い構成のレース群で効果的に穴馬を発見するためのルールは、
 「馬連人気順位>単勝人気順位」
という状態の馬を狙うことである。
   ↓
(具体的な指数の目安)
X値 1.5〜1.6 よりも小さい値
Y値 90〜100 よりも小さい値
T値 3〜4 よりも小さい値
   
尚、「チェックメイトをご利用になっていない方のために補足しますと、X値、Y値、T値が全て低いとは、概略として馬連1番人気のオッズが8倍〜10倍以上で、なおかつ1番人気から4番人気ぐらいまでのオッズがそれ程変わらないようなオッズ構成のレースを意味します。
 
この事例は、実は「奥義」と言えるレベルの考え方で、この手法の基本を飲み込んでおけば、馬券で簡単に負けることはなくなると思います。
 
(次回−22日予定へ続く)

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馬券予想理論(復刻)−10 [2003年06月22日(日)] 
前回解説した、1番人気馬が負ける確率が高いレースを選択するという方向性について、ZFLAGPのデータを加えた手法をご紹介いたします。
 
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【ZFLAGP活用の事例】
 
前回のチェックメイトの活用に、ZFLAGPの印を加えて、簡便に1番人気馬が負けやすいレースを発見する手法についてご紹介します。
 
☆レースの選定条件☆
 
1.チェックメイトのT値が3または4、あるいはそれよりも小さい値である。
 
2.チェックメイトのY値は95よりも小さい値である。
 
3.戦術bRの◎印の馬が存在するか、または戦術bRの印が全くない。
 
これらの条件を満たすレースは、単勝穴馬券を狙う戦術の対象レースに適しているといえます。
 
以下、今週の実例をご紹介します。
後程「新賭式馬券への応用/03年−18」でご紹介した手法を合わせてチェックするため、T値は3または4の設定とし、T値、対象となるレース、勝った馬の指定時刻単勝人気順位、単勝配当を表示しております。
 
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【上記選定レース・6月21・22日の結果】
 
※ 末尾はZFLAGP戦術bRの印
 
*6月21日分
福島 2R  T値=4 1着= 1番人気 (単勝 250円)
福島 3R  T値=3 1着= 4番人気 (単勝 730円)
福島 5R  T値=3 1着=10番人気 (単勝6310円)
福島11R  T値=4 1着= 3番人気 (単勝 610円)
 
*6月22日分
函館 4R  T値=4 1着= 1番人気 (単勝 260円)
函館 6R  T値=3 1着= 7番人気 (単勝1970円)
函館 8R  T値=4 1着=13番人気 (単勝10780円)
福島12R  T値=4 1着= 1番人気 (単勝 260円)
阪神 3R  T値=3 1着= 4番人気 (単勝 900円)
阪神 9R  T値=4 1着= 4番人気 (単勝 920円)
 

以上の通り、今週はこの選定方法で選択したレースで単勝の大穴馬券が2回出て、逆には1番人気馬は3勝のみとなっています。長期間の統計では、更に1番人気馬の勝率は低く、単勝が荒れるレースの選択方法としては有効であるといえます。
 
こうしたレースで「どの馬を狙うか」という点、或いは馬単への応用については、別稿で解説いたします。
 

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馬券予想理論(復刻)−12 [2003年07月14日(月)] 
以前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の再編集復刻版の12回目です。
前回までやや具体的な馬券戦術に類いする内容を掲載しましたが、今回は約2年前に掲載した「風水」について取り上げた記事の復刻、再編集掲載です。
 
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【馬券予想と風水】
 
馬券予想理論(復刻)−7で解説した通り、プロフェッショナル・ギャンブラーたるものは、極めて合理的かつ柔軟な思考技術を要求される。
 
その要求に応える私のギャンブル技術を支える学問上の専門は、「数理統計学」という客観性の極北にあるような分野である。しかし、その一方で私は合理性、客観性とは対極にある、プロの風水(占い)師でもある。
 
今回は、なぜ一見すると賭けの技術とは相反するような分野である占い(風水)について、香港まで出向いて深く研究し、身につける必要があったのかについて簡単に説明したいと思う。
 
その理由は大別して3つあるが、まず1点目はギャンブル技術の補完という意味合いである。すなわち、日本のギャンブルにおける「出馬表暗号」の設定は、東洋暦、いわゆる旧(太陰)暦をコードブックとしており、吉凶判断術である陰陽道、開運術である風水学などを解読キーとしているので占暦の知識が攻略に際して必要であると判断したからだ。
 
この前提の延長戦上にある理論は、ここ最近だけでもラジオ短波賞やマーメイドSを簡単に攻略しており、特に暗号系統の情報メールを購読していただいているユーザーの方には威力を実感していただけていることと思う。
 
2点目は、プロレベルになると運(ツキ)とは何であるか、運(ツキ)を掴む秘訣、運(ツキ)の活用などについて深く考えることになるので、そのセオリーを知るためである。
従って、私は占いの応用分野としては開運術である風水を特に専門としている。
 
「運(ツキ)掴む」という表現は甚だ漠然としてものであるが、現代風に表現するならば、「潜在意識の声なき声による判断に如何に的確に従うか」というようなことである。尚、「競馬奥義」の中ではこの点について解説を加えている。
 
また、幸運の女神に好かれるためには、「自分が絶対に正しい」と思い込むことなく、謙虚に、そして信念を持ち物事を判断する必要があるが、この過信を戒める手段としても占い(風水)を活用しており、これが3点目の目的である。
 
古人の知恵の集積である占い(風水)に通暁することにより、合理性、客観性を過信することなく、内面のバランスを取って幸運の女神を逃さないようにしよう、という狙いであり、通常こうしたことには占い師を活用するのであるが、私の場合、1点目の理由があるので、自らが専門家となったわけである。

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馬券予想理論(復刻)−13 [2003年07月16日(水)] 
当コーナーでは、他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探る記事を何回か掲載しておりますので、主なものを加筆再編集の上復刻いたします。
 
尚、競技の本質として競馬に最も近いのは自転車のピスト競技スプリントですが、その点については付加価値の高い情報なのでweb公開はせずメール配信の中で解説いたします。
 
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【女子マラソンが教えてくれること−1】
 
 メジャーなスポーツは、様々な意味で競馬予想に多くの示唆を与えてくれるが、陸上、水泳、スピードスケート、距離スキー、自転車などの競走競技のセオリーには、直接的に役立つ事柄も多い。また、逆にそれらの競技を競馬のセオリーで予測することも可能である。
今回はその競走競技中から陸上の女子マラソンについて取り上げてみたい。
 
2000年シドニー五輪での高橋尚子選手が金メダル獲得金メダルを獲得した際、レース後の小出監督のコメントには注目すべき点が幾つかあった。その一つを挙げると、当時小出氏は記録(タイム)について、「高橋尚子は平坦コース、イーブンペースなら世界最高タイムなんて、いつでも出すことが出来る」と豪語している。
 
その後高橋尚子選手は2001年のベルリンマラソンで小出監督の言の通り当時の世界最高記録で優勝している。(2002年も出場し2連覇)
 
小出監督の言は裏を返せば、陸上競技の中・長距離ではイーブンペースで流れると良いタイムが出るものの、それは選手の地力を一面的にしか示しておらず、強い選手とは、「レベルの高いレースで、駆け引きによる激しいペースの上げ下げの中を、生き残って勝ちきる選手のことである」、ことを意味している。
   
すなわち、この原則を競馬に当て嵌めるならば、一般に良く用いられる勝ちタイムだけでの実力評価、予想というのは一部の条件を除いては実は余り意味がないということである。実際馬券のプロは勝ちタイムによって馬を評価することはせず、ラップによりタイムの価値を判断することが通例である。小出氏の発言は正しくタイムに対するこうした考え方の必要性を裏書するものといえるだろう。
 
ところで、シドニーではレース前の時点で高橋尚子選手は競馬で言えば▲(3番手)評価であった。◎(1番手)評価は追い込み及ばず銀メダルに終わったルーマニアのシモン選手。彼女の敗因は、月経周期による体調不良と伝えられているが、類似したことは競馬の世界でも良くある。言うまでも無く、春先から初夏にかけての牝馬のフケ(発情期)であり、該当する時期の馬券作戦では常に注意が必要である。
 
また、○(2番手)評価はケニアのロルーペ選手だったが、この選手は「臨戦過程」が立て込んでいて、牝馬(女性)は特にレース間隔が重要、とのスポーツとしての競走(競馬)常識からは消しの感があった。ただ、高橋尚子選手も過去1年の出場回数は1回で問題ないものの、世界選手権が当日出場取り消しで、その結果名古屋女子マラソンから本番までの間隔が短く、順調さを欠く感は否めなかった。
 
しかも、世界選手権を取り消したため、競馬に例えればGVのアジア大会の経験しかない状態で、GTのオリンピックに出走することになった。これは、上級条件ではクラス経験が重要であり、いきなり2クラス上への挑戦は厳しい、というスポーツとしての競走(競馬)常識からは疑問も残るところであった。にもかかわらず金メダルが取れたということは、頭抜けて強いということである。
 
中央競馬の予想には「短期間の3連勝馬は強い」との格言があるが、これは中央競馬では勝つとクラスが上がるので、3連勝とは元いた条件の2つ上のクラスまで一気に勝ったということであり、成し遂げた馬は相当に強い、ということを意味している。つまり、国際大レース経験なしでオリンピックを勝った高橋尚子選手は相当に強く、予想通りその後も連勝を続けている。調整が順調に進めばアテネでも上位争いは必至であると考えられる。
 
ところで、この高橋選手は笠松競馬場に程近い岐阜市の出身であり、育った水、練習の環境ともに一時中央競馬での活躍が目立った笠松競馬出身の馬に相通ずるものがある。高橋選手と笠松所属馬の強さと相通ずるものが有るのかも知れないと考え、高橋選手とオグリキャップをオーバーラップさせることは競馬ファンにとってロマンのある話であろう。
 
ところで、上記に勝ちタイムだけでの実力評価、予想というのは一部の条件を除いては実は余り意味がない、と書いたが、その一部の条件、すなわち「他の馬に勝つ総合能力」≒「平均速度の優劣」という条件のレースでは勝ちタイムも重要な予想の要素となる。
それがどのような条件であるかは、高度なメール情報で再々解説している。

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馬券予想理論(復刻)−14 [2003年07月18日(金)] 
前回に続き、他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探る記事の中から女子マラソン編を加筆再編集の上復刻いたします。
 
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 シェアソフトZFLAGPに添付した「競馬の奥義」の「格言2」の中で具体的に解説したが、競走馬が全力を尽くして戦った場合、その筋肉、循環器、細胞レベルの快復には、それぞれに必要な日数がある。そしてその日数を元にどの程度の力を発揮することが可能であるか、という視点から出走馬の臨戦過程を評価することが競馬予想の一つの基本であり、牝馬の場合は特にこの基本が重要となる。
 
人間の女性の場合も同様で、マラソンのような耐久競技の場合、循環器、細胞レベルでの快復度合いが、力を発揮出来るか否かの目安となる。快復にに必要な具体的日数の詳細については、「競馬の奥義」或いは情報メールの中のみでの公開とさせていただくが、簡略した結論だけ述べておくと、女子マラソン選手の場合、力を出し切るためには少なくとも前回の勝負レースから概略224日は間隔を空けた方が良いといわれている。
 
さて、前回はシドニー五輪について述べたので、今度はアトランタ五輪について、そのレース間隔というポイントを踏まえて、競馬予想的視点からの解説を加えて見たい。アトランタ五輪の女子マラソン予想は比較的簡単であったといえる。その理由は2つあり、1つは、直前のオリンピックであるバロセロナとマラソンの開催条件が類似しており、かつ前回の1・2着選手、競馬風に言えば「格上選手が複数」出場していたことである。
 
開催条件の類似とはすなわち、夏季開催の高温レースでかつ坂の多いコース設定であったことである。競馬でも直線に坂のある、東京、中山、阪神、とその他の競馬場の実績は分けて考えなければならないが、マラソンでも特に勝敗重視で駆け引きの厳しいオリンピックではアップダウンの有無は大きなポイントである。また、競馬では同条件レースの連対経験馬が上位人気を占めていれば、馬券的に堅く収まる傾向が強いが、この点はマラソンでも同じである。
 
2つ目のポイントは、バロセロナの@・A着、ロシアのエゴロワ選手と日本の有森裕子選手が共に万全の状態で出走して来たことである。両選手ともに年齢的に下降期ではなかったし、前回の五輪出場権獲得レースからの間隔はエゴロワ選手12ヶ月、有森裕子選手11ヶ月と標準の224日以上で全く問題がなかった。予想としては、この2強を脅かす新勢力(上がり馬)がいるか否かを考えればよいレースであったといえるだろう。
 
その点について、バロセロナとの類似条件を基本に検討すると、有力な国際レースで勝利を収めかつ高温、アップダウンのレースで実績を残し、五輪出走権獲得レースからは概略224日は間隔の空いている選手が一人だけおり、エチオピアのロバ選手であった。
 
ロバ選手はアトランタ五輪の前年9月に行われたローママラソンの覇者で、そのレースで代表を確実にしている。そして、そのローママラソンは高温、アップダウンのある国際マラソンで、アトランタからは約10ヶ月前であるから、正にロバ選手こそが唯一新勢力(上がり馬)としてエゴロワ−有森ラインを崩す可能性を予見出来た選手なのである。
 
つまり、ロバ選手の快走は当時の実況アナウンサーが連呼したほどに意外な結果ではない。また、エゴロワ選手のA着と有森裕子選手のB着は予想通りの結果と言えるだろう。一方、アトランタ五輪では、その年の冬から春に好タイムで3勝していた、ドイツのピピヒ選手が注目を集めていた。しかし、224日というスパンで考えて4回目のレースでは走り過ぎであった。
 
また、ピピヒ選手の場合、勝ったレースも平坦コースのイーブンペースばかりなので、「コース適性」にも疑問が残り、予想通りに途中棄権という結果であった。世界選手権の優勝経験者である日本の浅利純子選手も期待されたが、五輪出走権獲得レースから180日程度の間隔の出走で脚部不安と相俟って少し厳しかったようである。
 
このアトランタでの有森裕子選手の健闘が教えてくれるものは、トップクラス(G1級)のレースでは、正しいスポーツ的な知識により、実績(格)に基づく骨太の予想を行えば、大きくは外れないということである。

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馬券予想理論(復刻)−15 [2003年07月24日(木)] 
他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探るという趣旨記事の中から、女子マラソン編を加筆再編集の上復刻する3回目です。
 
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【女子マラソンが教えてくれること−3】
 
1回目はシドニー五輪(高橋尚子選手)、2回目はアトランタ五輪(有森裕子選手)を実例として、陸上競技の女子マラソンのセオリーが示唆する競馬予想のポイントについて解説したが、その続編として2001年の世界陸上について取り上げてみたい。
 
賞金レースの都市マラソンの場合は順位と同時に記録が重要となるので、ペースメーカーとなる選手が参戦し、30キロ辺りまで風圧を引き受けつつイーブンペース引っ張りスター選手をサポートする。しかし、ペースメーカー使えない五輪、世界選手権といった真剣勝負で順位を争うレースになると、各選手がお互いの仕掛けを読みあいながらの展開となり、競馬の大レースと予想のポイントが似てくる。
 
つまり、順位を争うマラソンは、スローペースの展開の中でペースを上げ下げして、自分より先に相手を疲れさせ、脱落させようとする駆け引きが重要となるので、結果の予想をする場合に最も重視すべきポイントは、競馬のG1レースと同様に、強敵相手のレース実績の有無である。
 
但し、世界選手権には五輪ほどのステータスがなく、経験不足の選手でも素質で通じる傾向がある。欧米ではロード耐久レースは、ツールドフランスに代表される自転車競技が標準で、マラソンは自転車に比べスピード感に欠け、耐久レースとしては時間も短いので、日本ほどの人気競技ではない。また、マラソンは年に多数のレースを走ることが出来る競技ではない。
 
つまり、有力なスポンサーを獲得することは簡単ではなく数でも稼げないという意味でプロ的な活動が難しいので、日本など一部の国を除けば有力選手は勝てば以降のプラスが大きい五輪以外は条件の良い都市マラソンレースを選択する傾向が強く、その結果世界選手権はややグレードが下がるのである。
 
2001年も地力bPといわれたテグラ・ロルーペ、五輪2着のジョイス・チェプチュンバ、その他キャサリン・デレバ、ローナ・キプラガトといった有力選手が賞金マラソンを目指して世界選手権を回避したため、レースの水準がかなり下がることが予想された。
 
これに対し日本では、マラソン、駅伝がTV放映で高視聴率を獲得する人気競技であり、またプロに加えて企業アマという形態を持つので毎回世界選手権での日本選手の勝負気配は高く、レベルが下がる分成績も五輪より一段良い。
 
そうした読みから、2001年の世界選手権女子マラソンに参加した日本勢には、十分なレース経験を持つ選手はいなかったものの、勝負度合いから上位を争うと予想された。
 
日本選手の中では、まずその年の大阪女子マラソンを初マラソンながら好時計で勝った渋井陽子選手が期待されたが、素質が高いとはいえ、冬場の平坦マラソン楽勝1回のみの経験ではさすがに厳しいものがあり4着に止まった。経験不足ながら素質を買われて1番人気となった馬が4着に敗退するのは牝馬のG1・桜花賞の定番であるが、よく似たイメージの結果であるといえるだろう。(続く)

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馬券予想理論(復刻)−16 [2003年07月28日(月)] 
他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探るという趣旨記事の中から、女子マラソン編を加筆再編集の上復刻する4回目です。
 
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【女子マラソンが教えてくれること−4】
 
2001年の世界陸上で優勝候補筆頭と目されていたのは、有力選手の参加が少ない中で十分な実績が唯一備わっていたリディア・シモン選手である。
 
世界選手権で2回連続銅メダル、シドニー五輪では銀メダルと、強敵相手の真剣勝負度合いの高い駆け引き重視レースの戦績は頭一つ抜けており、夏の高温マラソン、坂コースの経験も豊富で、競馬に例えれば必要かつ十分な実績を持つ信頼出来る本命であったといえるだろう。
 
また、シモン選手は入着続きでそろそろ世界タイトルが欲しいところという見方が出来、アテネ五輪まで3年の間隔のあるここは勝負気配も十分であったが、レースでは同国の選手に前半アタック(逃げ仕掛け)させるロードレースの定石に沿った展開に持ち込み、予想通り完勝に成功した。ちなみに、競馬でも差しタイプが勝負馬のときは、先行タイプの援護馬にペースを作らせることは常套手段である。
 
このシモン選手と好勝負をした日本の土佐礼子選手は、4着の渋井選手と比べるとレース経験が豊富で、坂コース、夏マラソンの実績もあり見事に2着となった。ここで見逃せないのは、土佐、渋井選手が同じ企業のチームで一緒にトレーニングをしている、つまり競馬でいえば同厩舎の2頭出しだった点で、競馬でも経験不足を補うのに僚馬を出走させることは特に牝馬には効果が高いといわれている。
 
3着となったスベトラーナ・ザハロワ選手は、今年のロンドンマラソンでアレムやロルーペに先着しており、総合的にはシモン選手に次ぐ実績の持ち主であり順当な結果だったといえるだろう。逆に言えば、日本の土佐選手がこのザハロワ選手を抑えたのは、大健闘と見ることが出来る。
 
これに対し、男子マラソンで初の2時間5分台ランナーということで注目を集めたハリド・ハヌーシ選手は典型的な「危ない本命」であった。この選手は、初マラソンの1997年から2000年まで10月後半に自国で開催され、ペースメーカーが付けられるシカゴマラソン以外に出場していなかった。つまり、海外での強敵を相手に順位を争うレース、夏マラソン、坂コースの経験は全て欠けており、「持ち時計が良いだけ」という、競走競技の定石からは消したい本命であった。
 
良いタイムで走ることと、順位を争う、つまり相手よりも先にゴールすることには、本質的に異なる能力が必要であり、真剣勝負で順位を争う世界選手権では、持ち時計が良いだけでは実績として大した意味を持たない。これは競馬予想でも陥りやすい点で、競馬は多くのレース形態で他の馬より先にゴールする能力を争っているので、走破時計重視の予想では本質が見えないことが多い。
 
通常はタイム系統のデータを云々するならば、他の馬に先着する能力を示す指標に加工して用いる必要があるといえるだろう。但し、競馬の場合は「他の馬に勝つ総合能力」≒「平均速度の優劣」である番組カテゴリーも存在し、そのようなレースにおいては持ちタイムを基準とした指標が予想の標準となり得る。

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馬券予想理論(復刻)−17 [2003年07月30日(水)] 
他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探るという趣旨記事の中から、女子マラソン編を加筆再編集の上復刻する5回目です。尚、来月パリで行われる第9回世界陸上の女子マラソンには日本から松岡理恵、野口みずき、大南敬美、千葉真子、坂本直子の五選手の出場が予定されていますが、展望記事などはtoto&競馬情報メールに記載します。
 
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【女子マラソンが教えてくれること−5】
 
馬券予想理論(復刻)−13 ではレース競技における記録(タイム)についての解説に関連して、高橋尚子選手が金メダルを取ったシドニー五輪の女子マラソンのレース後、小出監督が「平坦コース、イーブンペースなら世界最高タイムなんて、いつでも出すことが出来る」と豪語し、翌年のベルリンマラソンで高橋尚子選手が見事な平均ペースで快走してその発言を実証したことを紹介した。
 
この2001年のベルリンマラソンをTV観戦した方は実感されたことと思うが、馬券予想理論(復刻)−15に書いた通り、男女混合賞金レースの都市マラソンの場合は順位と同時に記録が売り物となるので、ペースメーカー兼風よけとなる選手がガードランナーとして参戦し、30キロ辺りまで風圧を引き受けつつイーブンペースで引っ張りスター選手をサポートしていた。
 
従って当時TVの解説をした増田明美さんも指摘していたが、こうしたレースと女子だけで順位を争う公式レースとは全く次元の異なるものであり、記録(タイム)を同列に判断することは出来ない。例えば、シドニー五輪の前の時点で、テグラ・ロルーペ選手は高橋尚子選手よりも1分以上早い持ち時計があったが、それはこのベルリンで記録されたものであり額面どおりには受け取れず、現実に高橋、シモンの前に完敗となった。
 
このシリーズの最初にも書いたが、これは競馬予想でも注意しなければならない点で、一般に良く用いられがちな走破持ち時計による実力評価、予想というのは実りが少ない場合が多く、一部のカテゴリーの競馬番組を除いては持ち時計については常に記録された状況と、ラップタイムにより価値を判断する必要があるといえる。
 
さて、高橋尚子選手はシドニー五輪は、初の「G1」挑戦であり、2001年のベルリンマラソンは同じく初の男女混合賞金レースの平坦都市マラソンであった。すなわち、経験が無いにもかかわらず、シドニーでは「駆け引きによる激しいペースの上げ下げの中を、生き残って勝ちきる」能力が、その時点で最も高いと言われていたシモン選手を破り、ベルリンでは当時の世界最高記録を樹立したのである。
 
つまり、高橋尚子選手は、この時点でレーススポーツの定石に照らすと女子マラソンでは圧倒的な存在であったわけだが、2年前に掲載した元の原稿では、高橋尚子選手の評価について「後は、現在99年東京国際女子マラソンの山口衛里選手の記録が認定されている、女子限定マラソンでの記録を大幅更新して優勝という履歴が加われば競馬でいえば《歴史的な名馬》という存在となる」と結んでいる。
 
高橋尚子選手は本年11月に行われるその東京国際女子マラソンに出場を予定しており、この結びの部分がいよいよ現実となるかどうかというところであるが、このレースはアテネ五輪の予選を兼ねており、上記の山口衛里選手も出場を予定しているので内容、結果が大変注目される。
 

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チェックメイト活用/フォローアップ [2003年08月01日(金)] 
当コーナーの6月18日に掲載した「馬券予想理論(復刻)−9」のフォローアップです。
 
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【チェックメイト活用の事例/波乱レースの選定】
 
「馬券予想理論(復刻)−9」では、シェアソフト「チェックメイト」の指数を用いて人気馬が負けやすい傾向のレースを発見する指数構成として以下の具体例を示しました。
 
(具体的な指数の目安)
X値 1.5〜1.6 よりも小さい値
Y値 90〜100 よりも小さい値
T値 3〜4 よりも小さい値
 
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【メインレースの実例】
 
6月22日以降のメインレースで上記の指数構成に該当したのは以下の5レースでした。傾向通り1番人気は全て敗れ、5レース中2レースは10万馬券となっています。
 
メインレースについては馬券を買うケースが多いかと思いますが、このようなタイプのレースについては本命サイドの馬券は控えて、もしも買うとしても穴狙いが妥当であるといえるでしょう。
 

☆条件合致指数構成レース−1
 
2003年 6月28日・福島11R/さくらんぼ特別
16頭/データ取得時刻 10:36
*指定時刻指数
  X値<1.3> Y値<74> T値<4>
*結果
1着…馬連人気<3位> 単勝人気<3位> 複勝人気<3位>
2着…馬連人気<13位> 単勝人気<12位> 複勝人気<14位>
3着…馬連人気<12位> 単勝人気<14位> 複勝人気<13位>
単勝 配当:   680円
馬単 配当: 16460円
三連複配当:150630円 
1番人気馬の最終単勝オッズ=340円(7着)
 

☆条件合致指数構成レース−2
 
2003年 7月5日・福島11R/TUF杯
16頭/データ取得時刻 10:38
*指定時刻指数
  X値<1.2> Y値<75> T値<3>
*結果
1着…馬連人気<13位> 単勝人気<13位> 複勝人気<13位>
2着…馬連人気<10位> 単勝人気<8位> 複勝人気<9位>
3着…馬連人気<6位> 単勝人気<7位> 複勝人気<6位>
単勝 配当:  5310円
馬単 配当:132130円
三連複配当:213250円 
1番人気馬の最終単勝オッズ=380円(7着)
 

☆条件合致指数構成レース−3
 
2003年 7月12日・阪神11R/安芸ステークス
16頭/データ取得時刻 10:41
*指定時刻指数
  X値<1.5> Y値<65> T値<2>
*結果
1着…馬連人気<6位> 単勝人気<5位> 複勝人気<5位>
2着…馬連人気<4位> 単勝人気<4位> 複勝人気<8位>
3着…馬連人気<1位> 単勝人気<1位> 複勝人気<1位>
単勝 配当:1060円
馬単 配当:6120円
三連複配当:3790円 
1番人気馬の最終単勝オッズ=380円(3着)
 

☆条件合致指数構成レース−4
 
2003年 7月19日・函館11R/津軽海峡特別
12頭/データ取得時刻 10:36
*指定時刻指数
  X値<1.3> Y値<79> T値<4>
*結果
1着…馬連人気<2位> 単勝人気<4位> 複勝人気<6位>
2着…馬連人気<1位> 単勝人気<1位> 複勝人気<3位>
3着…馬連人気<7位> 単勝人気<7位> 複勝人気<7位>
単勝 配当: 370円
馬単 配当:1790円
三連複配当:5180円 
1番人気馬の最終単勝オッズ=330円(2着)
 

☆条件合致指数構成レース−5
 
2003年 7月27日・新潟11R/北陸ステークス
15頭/データ取得時刻 10:41
*指定時刻指数
  X値<1.1> Y値<70> T値<2>
*結果
1着…馬連人気<3位> 単勝人気<2位> 複勝人気<3位>
2着…馬連人気<8位> 単勝人気<7位> 複勝人気<6位>
3着…馬連人気<6位> 単勝人気<6位> 複勝人気<7位>
単勝 配当:  680円
馬単 配当: 7680円
三連複配当:10050円 
1番人気馬の最終単勝オッズ=400円(6着)

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馬券予想理論(復刻)−18 [2003年08月05日(火)] 
他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探るという趣旨記事の中から、女子マラソン編に続きプロボクシング編を加筆再編集の上復刻致します。
 
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【プロボクシングの教えてくれること−1】
 
今回は「格」というキーワードをテーマに、プロボクシングを取り上げてみたい。ちなみに、当コーナーでは様々なスポーツを話題としているが、私自身はかつてプロボクサーのライセンスを取得していたことがあり、この分野がいわば専門である。
 
さて、ボクシングの本場である欧米では、次の5項目に当てはまる選手については超一流の世界チャンピオンとして評価する。すなわち、これはボクシング界における「格」を判断する基準である。
 
1.WBA・WBC認定ライト級・ウェルター級・ミドル級の世界王者。
2.連続5回以上の防衛。
3.傑出した生涯全成績。
4.敵地での防衛経験。
5.一定水準以上のKO率。
 
まず、条件1であるが、例えばライト級とウェルター級の間に後に加えられたスーパーライト級のような、階級を示す語の前に冠詞が付くクラスは、様々な理由により強い選手は避ける傾向があるのでスポーツ的には1枚格が下さがる。新設団体のタイトルも同様である。
 
また、ヘビー級は別格総本山であるが、一般には重いクラス、軽いクラスは民族的な体格差により世界的には層が薄くなるので、多くの国の有力選手が参入する老舗団体の中量級が最もハイレベルであり、価値があると評価されるわけだ。
 
競馬においても、同じグレード、賞金条件のレースだからといって価値は一様ではない。その辺りを勘案した、本当の「格」に対する認識が曖昧であるために、大レースで無駄な馬券を買ってしまうケースが少なくないのだが、その具体例は次回解説したいと思う。
 
条件2と3はスポーツにおける「格」評価の大原則であり、競馬における戦績評価においても、基準とすべき考え方である。
 
条件4は、ボクシングが判定スポーツであるが故に克服すると評価がアップする点であり、また、プロである以上集客力も重要な評価基準の一つであるから、条件5も加わってくるわけだ。
 
残念ながら、日本のボクサーには、これらの条件をクリアし、超一流世界王者として評価が定着している選手はいない。近年活躍した選手の中では畑山隆則さんが最激戦の世界ライト級(WBA)のチャンピオンで、全成績が29戦24勝(19KO)2敗3分で負けと引き分けは全て世界戦と、1・3・5の条件をクリアしていた。
 
もしもタイトルを失陥したジュリアン・ロルシー戦に勝って、さらに敵地も含めてあと数回防衛を果たしていれば超一流世界王者として認知される可能性があった選手だったといえるだろう。
 
過去の日本人世界王者について縦覧すると、2・5の条件で傑出している具志堅用高さんは、当時新設のジュニアフライ級の王者であり、連続防衛記録は素晴らしいが世界的にはそれほど有名ではない。軽いクラスではむしろ、白井義男さん、大場政夫さん或いはファイティング原田さんといった冠詞の付かないクラスで防衛を重ね、エキサイティングな試合をした選手が知られた存在である。
 
一方、重い方のクラスで実績を残した選手といえば通算6度の防衛を果たしている輪島功一さんがいるが、冠詞の付くジュニアミドル級なので知名度、評価はもう一つである。むしろ防衛はしていないものの、豪打で主要3階級に含まれる世界ミドル級(WBA)の王者となった、最近ではTVのバラエティー番組でおなじみの竹原慎二さんが、重量級の日本人という珍しさや負けたウィリアム・ジョッピーが名王者となったことも手伝って本場ではかなり知られた選手である。
 
それでは、日本人世界王者で上記の5条件に最も近い選手は誰なのか?といえば、最近のタレントとしてのイメージからは想像出来ないが、世界ライト級(WBC)で5回の防衛を果たしているガッツ石松さんである。石松さんは実はかなり凄い選手なのだ。(続く) 

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馬券予想理論(復刻)−19 [2003年08月07日(木)] 
他の競走競技を通してスポーツとしての競馬の本質を探るという趣旨記事の中から、プロボクシング編を加筆再編集の上復刻する2回目です。
 
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【プロボクシングの教えてくれること−2】
 
今や天然系面白タレントとして定着しているガッツ石松さんだが、ボクサー時代の実績は中々素晴らしい。まず、ガッツさんが世界的に評価されたのは、中量級の歴代世界王者の中でbPと評価されることも多い、石の拳ことロベルト・デュランに挑戦して善戦したことである。
 
この試合、TV番組などで「デュラン?あいつだけは強かったねー、壊される前あきらめたよ。」と石松さんご本人が懐述しているが、全盛期のデュラン相手に形になった試合の一つであり、池袋での大立ち回りというような経歴と相俟って、石松さんはこの試合を契機として破天荒な強打者との評価を得た。
 
その後、ルドルフォ・ゴンザレスを「幻の右」で8RKOして世界ライト級王座に就き、強敵を含め5度防衛を成し遂げ一流王者としての実績を積んだのである。また、王座を陥落した試合も敵地プエルトリコで名ボクサーに数えられるエステバン・デ・ヘヘスに判定で敗れたものであり、評価が下がるような内容ではなかった。但し、石松さんの場合、生涯全成績が51戦36勝(17KO)14敗1分と負けが多いので、世界的な名チャンピオンとしては格付けされていないが、個性派王者として本場のマニアには知られた存在である。
 
さて、競馬に話を戻し、格付け、いわゆる「格」について取り上げてみたい。競馬においても、前回紹介したボクシングのような「格」を判断する基準が存在するが、その整理されたセオリーについては情報メールなどで解説することとして、ここではその概略を実例で説明したいと思う。
 
競馬において「格」を予想の根本に反映すべきなのは、「定量・G1レース」である。具体的には、どれだけ一流馬の条件を備えているかで「格」を判断して取捨選択に生かせばよい。また、「定量・G1レース」以外の競馬番組カテゴリーについては、勝敗が決する要因が馬の基本能力以外の部分にあることが多く、「格」を予想の基本とすることは殆ど意味がない。
 
97年04月13日 皐月賞   G1 1番人気 4着 松永幹夫 57
97年06月01日 ダービー  G1 1番人気 3着 松永幹夫 57
 
これは、メジロブライトの皐月賞、ダービーの成績である。どちらも1番人気に支持されたが連対すら出来なかった。1度はアクシデントで連対を逃すことがあっても、本当に地力あれば2連敗する確率は低く、つまり、この時点でメジロブライトはクラッシックディスタンスのガチンコ勝負では世代のトップクラスの「格付け」ではない、と考えるべきである。
しかし、この馬にはその後次の様な実績もある。
 
97年11月29日 ステイヤーズS G2 1番人気 1着 河内洋 芝3600
98年01月25日 アメリカJC   G2 1番人気 1着 河内洋 芝2200
98年03月22日 阪神大賞典   G2 1番人気 1着 河内洋 芝3000
 
メジロブライトはこのように3000Mを越えるレース2つを含むG2を3連勝している。つまり、長距離ならばG2では1枚上、すなわちG1級の「格」を持った馬と見るべきであろう。従って、その後のG1レースについては、「格」という面からはこの馬に対して、3200Mの天皇賞・春は買い、それ以外の定量・G1は相手が揃っていれば基本的には見送り、という結論となる。
 
98年05月03日 天皇賞(春)G1 2番人気 1着 河内洋
99年05月02日 天皇賞(春)G1 3番人気 2着 河内洋
 
98年07月12日 宝塚記念  G1 2番人気 11着 河内洋
98年11月01日 天皇賞(秋)G1 2番人気 5着 河内洋
99年10月31日 天皇賞(秋)G1 3番人気 11着 河内洋
 
上記の結論を踏まえておけば、天皇賞・春では馬券に絡め、それ以外の3レースについては、新聞の印に惑わされることなく消して無駄な馬券を買わずに済む。これが「格」に対するプロ的な視点、技である。尚、メジロブライトは有馬記念でも連対しているが、当時は「馬齢戦」であったので別の考え方で予想すべきレースだったといえる

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馬券予想理論(復刻)−20 [2003年08月11日(月)] 
他の競技を通して競馬(馬券)の本質を探るという趣旨記事の中から、今回はサッカー編を取り上げます。このHPのZ−プロジェクトのコーナーの下段に画像をアップしてある、拙著「かくて馬券は投資となる」(ぶんか社 1995年刊)からの加筆修正復刻となります。
 
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【サッカー好きのキミ、競馬はこう勝て】
 
去年横浜でW杯の決勝が行われたが、そこへ進出する可能性のあったレベルの国のサッカーの質を「馬券上級者」の技量に置き換えて見ると以下のようなイメージである。
 
・マラドーナ全盛の86年アルゼンチンのように傑出した選手を軸としたチームは、独自の優れた馬券作戦を持つ勝負師。
 
・98年大会優勝、要所に好選手を万遍なく配しトータルで高レベルのサッカーを展開するフランスのようなチームは、インサイダー情報に強く裏表を知り尽くした馬券師。
 
・高い個人技の選手を揃え技術で相手を翻弄していく02年大会優勝のブラジルは、さまざまな戦術を状況に合わせて使いこなす馬券プロ。
 
・相手にスペースを与えない厳しいプレスから速攻を仕掛ける、守備をベースとした戦術のイタリア型は、予想よりも買い方に長けた馬券生活者。
 
このコラムをお読みいただいている皆さんの中には、こうした馬券上級者の方もおられることと思うが、数としては初級から中級レベルの方が多いのではないかと推察される。馬券の初・中級者はプロ級の馬券上級者に対しては、いわば格下の存在である。
サッカーで格下のとるべき戦術は・・・。
 
そう、固く守ってカウンター狙いだ。馬券の世界で固く守るとは主観に頼って多額の馬券、多くのレースを買わないことであり、カウンター狙いとは数が少なくとも単純で確率の高い独自の予想法を身につけることである。対象は月に数レースというレベルでも良いから、ともかく最初は手を広げず自分なりに一つの予想法をマスターする、サッカーでいえば守備を固めトップに好選手を配置することが勝利への道である。
 
やがて経験を積んで馬券の技量がアップすれば、上記したような高度でかつ自分に合った馬券戦術に切り替えてW杯クラスを目指せば良い。最初に勝利を目指すところから出発しないと、良いサッカーするんだけど勝てない、すなわち予想はいい線なんだが馬券に結びつかない状況になって、最終レース1着−3着でオケラという94年W杯予選「日本代表ドーハの悲劇」を何度も体験することになる。
 
サッカーには「得点感覚」という表現がある。これと競馬の「馬券で勝つ感覚」は非常によく似ている。
 
最も平易な馬券勝利法をサッカーの「得点感覚」に例えると、「極端にポジティプな思考によるポジションニングで点を取る」方向性である。20年以上のサッカーファンならご存知の82年W杯のヒーロー、イタリアの点取り屋ロッシのイメージだ。
 
90分の試合中、とにかく「次にこうなれば点が取れる」という、ある種都合の良い予測に基づきポジションを取りつづける。もちろん、ディフェンスとの兼ね合いがあるからその動きの大半は無駄になり、試合の殆どの時間で「消えて」いることになるが、予想が当った決定機にシュートの技術が伴っていれば得点出来るわけだ。
 
その決定機を数多く嗅ぎ取ることが出来る資質が「得点感覚の良さ」ある。馬券で勝つためにも同様で、「どこかで必ず当る」と信じるに足る戦術を創案しそれを徹底することが勝利への基本であり、その当る瞬間を見極める勘、技術が馬券における「得点感覚」であり、それを磨くことを常に心がけなければならない。その都度の結果で方針を転換していては勝利は覚束ないことは言うまでも無い。
 
ところで、Jリーグ発足後かなりの専門的なサッカー馬名の馬が登場しているが、出馬表のパフォーマンスである「暗合」にもサッカーが取り入れらている。特にコアなサッカーファンに涙ものだったのは、欧州代表のプラティニの隣に日本の公営競馬代表ハシルショウグンがしっかりと配置された93年のジャパンカップである。
 
11番人気のプラティニは直線一気の差し足を見せたものの惜しくも4着、翌年のW杯出場権を逃すことになる、現役時代に将軍と称されたプラティニ監督率いる仏代表の行く末と見事に符合していた。

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馬券予想理論(復刻)−21 [2003年08月13日(水)] 
他の競技を通して競馬(馬券)の本質を探るという趣旨記事の中から、今回はラグビー編を加筆修正の上復刻します。「予想の本質」という視点からの解説です。
 
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【ラグビー−報道が教えてくれること−1】
 
2001年お正月に行われた全国大学ラグビー選手権では、関東学院大学が優勝した。当時は高校日本代表経験者や花園全国大会活躍選手が揃う早・慶・明や同志社といった伝統校のメンバーに比べ、高校時代に実績の無い選手が多かったにも拘わらず、4年連続で決勝に進出しそのうち3回優勝という実績は、大変素晴らしいものであるといえるだろう。
 
現在は関東学院も実績のある選手の進学が多くなっており、一昨年、昨年も優勝、準優勝と実績を伸ばしているが、今回は2001年時点の関東学院の戦績を中心に、大学ラグビー報道から競馬、或いは予想に関し得られる教訓について解説する。
 
大学ラグビーのトップクラスのリーグは、早・慶・明・帝京を中心とする関東対抗戦グループ、関東学院・法政・大東・東海・中央などの関東リーグ戦グループ、同志社・京産・近大・立命などの関西リーグ、の3つに分かれている。関東リーグ戦グループの優勝校であった関東学院大学は、この年の全国大学ラグビー選手権のトーナメント1回戦で関東対抗戦グループ5位の筑波大と対戦した。
 
この試合、最終スコアは地力が出て大差がついたが、前半は拮抗した試合になった。その為ほとんどのマスコミでは、実績がかなり下の相手に前半互角ということで、「優勝を狙う関東学院、前半苦戦」或いは、「前半もたつく」といったニュアンスの見出しとなった。しかし、これは硬直した思い込み、取材不足、手抜きによる、誤った理解なのである。
 
それは、関東リーグ戦グループの試合結果を少し詳しく見ればすぐに分かる。リーグ戦は8チームで行われているが、関東学院は最下位となった流通経済大学戦では、最終的には56点差で勝ったものの、前半の半ば過ぎまではリードされていた。6位の中央大学戦も最終スコアは54点差だが、前半は1トライに抑えられる接戦であった。
 
すなわち、関東学院は格下相手の場合、相手が必死で食い下がってくる前半はその勢いをいなして消耗を避け、格下チームの気力、体力に陰りが見える後半に一気に差をつけるという戦略で戦っていることがスコアデータから見てとれるのである。従って、筑波大学戦も「関東学院、ゲームプランに沿って快勝」、が妥当な評価であるわけだ。
 
それを裏付けるのは、力量差の少ない相手と対戦したときの試合経過である。リーグ戦グループの試合で2・3位の法政・大東大学と対戦したときは、格下戦とは全く逆で後半は相手チームの方がスコアが上であった。つまり、前半からフル回転で攻めて点差を付け、後半は反撃を凌いで逃げ切るという戦略に変わるのである。
 
大学選手権でも同様で、筑波戦の次の早稲田大学戦では、開始5分で2トライを挙げ一気に優位にたっている。こうした、臨機応変なゲームプランは、勝負に携わるものとして見習たい点であるといえるが、筑波大戦を「前半苦戦」として片付けてしまうような、表面的なものの見方では本質を見据えることは出来ないのである。
 
その短絡な見方の結果として、早稲田大学戦に続く準決勝の同志社大学戦では、多くのマスコミがトーナメントで快勝を続けていた「同志社有利」と報道したが、その予想は外れ戦略的な戦いを見せていた関東学院の快勝であった。キャリアのある競馬ファンの方なら実感されていることと思うが、競馬の予想記事にもこうした、硬直した思い込み、勉強不足、手抜きを感じさせる建前的なものは多い。
 
もちろん、競馬の予想報道はアマチュアスポーツの結果予測とは異なり、専門紙などは競馬サークル内の運命共同体である、競馬予想は金に絡む、ことなどから、ある種の制約があることも確かではあるが、それ以前の問題としてものの考え方や前提となる知識が不足し、単に短絡な主観が述べられているだけで、客観的な予想とはいえないようなケースも少なくはない。(続く)

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馬券予想理論(復刻)−22 [2003年08月15日(金)] 
他の競技を通して競馬(馬券)の本質を探るという趣旨記事の中から、今回はラグビー編を加筆修正の上復刻する2回目です。
 
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【ラグビー報道が教えてくれること−2】
 
2001年全国大学ラグビー選手権の準決勝、関東学院大vs同志社大学戦では、多くのマスコミが「同志社有利」と報道していた。
 
しかし、競馬の予想的な視点からすれば、同志社大学は「不安の大きい人気馬」であったといえる。確かに、選手の資質や準決勝に至る戦績は抜群であり、主観的な期待を抱かせるに十分であったが、一歩下がってみれば準決勝で有利とするほどの実績は無かったのである。
 
例えば、関西リーグで同志社大学が圧倒した他のチームが、大学選手権では全て1回戦で負けていることから、同志社大学には接戦経験の不足に対する不安があった。その一方、関東学院の属する関東リーグ戦グループは、結果的に決勝へ進んだ法政大学などの上位は勿論、下位チームのレベルが最も高いリーグであり、関東学院は厳しい局面の経験では同志社よりも遥かに恵まれていた。
 
厳しく競った実戦経験により選手、チームが成長するのはスポーツにおける原則である。つまり、同志社大学は競馬で言えば、弱敵相手に素質で圧勝を続けて来た馬が、初めてGレースで拮抗した力関係の経験豊富なメンバーと対戦するようなケースであったといえるだろう。
競馬では2歳・3歳の馬齢戦でこうしたケースが良くあるが、経験が不足している馬は欠点を露呈して凡走する危険が大きく、人気になっていれば見送りがセオリーである。逆に言えば、「馬齢戦」というカテゴリーは「実績がアテにならない可能性がある」ことを意味している斤量区分であるわけだ。
 
また、ここまでの試合運びを見ても、素質に任せて成り行きで押し切ってきた同志社よりも、前回解説したように、ゲームプランに沿って戦っている関東学院大学に一日の長がある感は否めないところであった。
 
例えば、同志社大学は1回戦で関東リーグ5位の専修大学と対戦したときに、関東学院とは対照的に前半大差、後半互角という試合運びをしており勝負が付いた後緩めたという、チームのキャリアアップという意味ではあまり足しにならない印象であった。
 
更に、この両校は準々決勝では、関東対抗戦グループで接戦だった早稲田、明治とそれぞれ対戦して勝ったが、その内容から同志社大学有利と判断出来るほどの地力の大差は感じられなかった。
 
これら諸々を勘案すると、もしイギリス式にブックメーカーが存在していたら、拮抗した試合では素質よりも経験、戦略がモノを言うという視点からそうした点で上回る人気薄の関東学院に賭ける一手であるが、案の定ゲームは関東学院の完勝になった。
 
ゲーム後に多くのマスコミが、「接点(相手と接触した場面)のプレーと、ゲーム運びに思いのほか差があった」と評したが、客観的に見ればそんなことは試合前から分かっていたことである。競馬の予想記事も、本質的にこのラグビーの報道と大差ないものが良くあり、レースが終わってからの結果論にウンザリさせられることがしばしばである。(続く)

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馬券予想理論(復刻)−23 [2003年08月19日(火)] 
他の競技を通して競馬(馬券)の本質を探るという趣旨記事の中から、今回はラグビー編を加筆修正の上復刻する3回目です。
 
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【ラグビー報道が教えてくれること−3】
 
2001年全国大学ラグビー選手権準決勝のもう一試合、慶応大学vs法政大学は、ほぼ全てのマスコミの予測記事が「慶応大学圧倒的有利」であった。しかし、これも予想の原則に沿って考えるならば甚だ主観的な判断であり、慶応大学に絶対的に有利な予測材料が揃っていたわけではない。
 
慶応大学を圧倒的有利とした記事は、概略次の様な点を根拠としていた。
・前年度の全国大学ラグビー選手権優勝校で、主力選手は卒業していない。
・今年度対抗戦グループで危なげなく優勝している。
・選手の質が高く、チーム戦術も明確で試合運びが安定している。
・対する法政大はリーグ戦グループで関東学院大に敗れ2位である。
 
しかし、これらの点は予測の根拠としては客観性を欠くものであるといえる。まず、前年度優勝校でかつ主力選手が残っていることは、確かに有力視すべき材料である。しかし、スポーツの予測として考える場合、慶応大学の決勝進出は近年では前年だけなので、「実績が1回」という点から過大な評価は出来ない。1回のみの実績は「偶然の幸運ではない」という保障が無いからだ。
 
この、「予想に際しては複数回の実証があるもののみを実績と考える」というセオリーは、競馬予想でも常に念頭に置かなければならないものであるといえる。ちなみに、前回例示した関東学院大学の場合、「3年連続決勝進出」という複数回の実績を背景としている点も評価出来たわけだ。
 
また、対抗戦グループにおける「危なげない」試合の連続は、前回述べた同志社大と同様に厳しい局面に対する経験不足の不安を感じさせた。
 
現在行われている全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)で、選抜大会の優勝校であり夏も有力視されていた広島の広陵高校が較的な楽な相手と見られた2回戦で敗れたが、これも県大会で競った試合がなく、思わぬ接戦となり自滅した形であった。
 
逆に、法政大学は関東学院大学戦はもちろんのこと、リーグ戦グループの最終戦で大学選手権出場権獲得を目指す6位の中央大学の善戦に苦しめられるなど、チームの成長に繋がる接戦の経験は十分であった。(続く)

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馬券予想理論(復刻)−24 [2003年08月23日(木)] 
他の競技を通して競馬(馬券)の本質を探るという趣旨記事の中から、今回はラグビー編を加筆修正の上復刻する4回目です。
 
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【ラグビー報道が教えてくれること−4】
 
選手の質という点から見ても、慶応大学も高いが実は法政大学も高校時代からトップレベルだった選手が揃うチームであり、また、慶応のチーム戦術が明確であるということは、徹底して研究され、対策を講じられる危険と裏腹である。
 
つまり、前回指摘した慶応大学有利の根拠は、他のデータにより絶対的な戦力差が証明されれば予想の根拠となり得るものであるが、これを理由として有利という結論が導かれる種類のものではないといえる。この辺りは競馬の予想においても誤りがちな点である。
 
それでは、客観的な結果数字で慶応大と法政大の戦力を検証したらどうであるか。
公式戦における、共通の相手との対戦スコアは次の通りであった。
 
・慶応大35−14帝京大/慶応大78−31大東大
・法政大35−29帝京大/法政大64− 7大東大
 
対戦時期や状況が異なるので、具体的な点数比較はともかくとしても、全体イメージとしては大きな差はなく、慶応の優位を示すものとは言えない。
 
また、この両チームは前年の大学選手権の1回戦で、対抗戦1位とリーグ戦5位として対戦し、33−7のスコアで慶応が勝っている。しかし、内容的には接戦であり、前半終了近くまで0−0で進み法政大学が先制点を取っている。
 
更に、その試合と今回を比べると、主力選手の出場、欠場の差し引きでメンバー的には差が詰まっている印象があり、法政の順位も前年のリーグ戦5位から2位へと上昇している。
 
これらの事実を勘案すると、前年優勝の経験から慶応大学有利と見るべきではあるが、慶応側の厳しい局面に対する経験不足を考える時、法政大学との差は小さいと予測するのが妥当な線であろう。
 
そして、結果として法政大学が勝ったわけだが、慶応サイドから見た場合最大の敗因は、攻撃戦術が余りに硬直していて法政の対応策を突破できなかったことにある。柔軟なゲームプランを準備していれば、接戦でも慶応大学が勝てた試合と思えたが、決勝を見据えてやや脇が甘かったところに、上記して来たような事由が重なり法政大学のペースに終始する試合となった。
 
競馬番組には、「同じ方法では予想を的中し続けることが出来ない」ような工夫がなされている。従って、慶応大学のように同じ戦術で攻めつづける、つまり全レース一律に同じような基準、資金で馬券を買って、尚且つトータルで勝つことはプロでも至難のワザである。
 
同じような基準、資金で買うならば、的中出来る確率が高いレースを選定する手法を採用する、又は、少点数高配当的中に的を絞りある程度外れてもトータルで勝つ、といった工夫が必要になってくる。
 
ギャンブルでは自らのフォームを確立し、それを徹底させることは最重要課題であるが、そのフォームには予め臨機応変の柔軟性を持たせておく必要があるわけだ。この点は別の機会に詳しく解説したいと思う。

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馬券予想理論(復刻)−25 [2003年09月02日(火)] 
約2年前に当コーナーへ掲載した馬券予想理論解説の再編集復刻版です。
 
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【馬券長者の条件】
 
ZFLAGP収載の「競馬奥義」第2章で解説している通り、オッズ解析、暗号解析というジャンルは馬券戦術としては表裏一体であり、その性格上いかに優れた具体策であっても、主催者側の対応により効力が左右されるという宿命を背負っている。
 
従って、基礎理論を十分に理解し、独力で具体的な戦術を応用構築する力を蓄えておくことが勝ち組みへの道筋であるが、それは物凄く難しい目標ではない。「常勝」は極めて困難であるが、特定のレースでまとまった単位の配当を手にし、中期間のトータルで勝つことは客観的な結果分析により可能な目標である。
 
例えば、1995年に暗号及びオッズ解析を取り扱った本を出版した際に、十数名の方からお手紙を頂き、会員制方式で主に暗号分野について個別にアドバイスをしたが、1年〜4年後には70%程度の方が広い意味での「暗号馬券」の活用により開催単位ならばほぼ常時勝てる状態となり、その中の4割の方は百万円単位の配当を手にすることが出来るようになった。
 
指導した立場からの感触としては、成功を収めた方々に共通していたのは、次の5点である。
 
1.上達、勝利しようという意思が明確であった。
2.手本となる戦術の客観研究が徹底されていた。
3.常に反省し、考えることを怠らなかった。
4.簡単にあきらめなかった。
5.健康面に不安がなく、常に能力を発揮出来た。
 
これらの諸点は馬券勝利に止まらない「成功の条件」としての普遍性を含んでいるのであろうが、残り30%成果の上がらなかった方々は、こうしたいわば成功へ向けての心構えがどこかしら欠けていたように思われる。
 
次に、勝ち組に回った後、大きく取れる4割の方とそれ以外の方との差について焦点を当ててみたい。この部分は賭け事(ギャンブル)のセンス、つまり適性、資質に負う部分も大きいが、指導した立場からの感触としては、次の点が重要であると思われた。
 
6.自分を良く知る努力をすること。
 
自分の得意なこと、不得手なこと、好きなこと、気が進まないこと、などをしっかりと把握して、好きこそものの上手なれの例え通り、数ある「予想戦術」、「馬券の買い方」の中から自分に合ったものを選ぶことが、大きな勝利への早道であるといえる。
 
そのためには自分が選択、適用した戦術、及び購入した馬券の結果を徹底して統計分析して常に自らを客観視する努力が不可欠であり、この努力の有無が大きく取れる4割の方とそれ以外の方との差であることが多い。
 
「予想戦術」自体の費用対効果のみに囚われずに、自らの嗜好がどこへ向いているかを明確に認識し、自分なりの基礎を固めるという、「急がば回れ」の姿勢を取って底辺を広げた方が自信に繋がりやすく、最終的には高い頂点に辿り着いている傾向が強いようである。

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馬券予想理論(復刻)−26 [2003年09月04日(木)] 
約2年前に当コーナーへ掲載したG1レースを題材とした解説の再編集復刻版です。
 
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【ファビラスラフィンの教えてくれること】
 
ファビラスラフィンはご存知の通り1996年の第1回秋華賞の優勝馬である。
私のように競馬に関わっているキャリアが長いと最近の馬というイメージであるが、昨今親しむようになった方にとっては歴史上の存在であるかと思うので、今回はこの馬について紹介してみたい。
 
*ファビラスラフィンの秋華賞までの全成績(1996年)
 
2月24日 阪神 新 馬   ダ1200良 1着 藤田伸二 458K 
3月16日 阪神 さわらび賞 芝1600良 1着 藤田伸二 456K
4月20日 東京 G2NZT 芝1400重 1着 藤田伸二 446K
5月12日 東京 G1NHK 芝1600良 14着藤田伸二 450K
 
春シーズンにG1級の地力が無ければ不可能な、新馬、特別連勝の後、キャリア2戦でいきなり3クラス上のG2に挑戦しての3連勝を飾っているが、その一方で、秋華賞は春のG1NHKマイルC以来の出走であり、牝馬には絶対不利の条件である長期間の休養明けであった。
 
この年、秋華賞が春のG1以来の出走となる有力馬は他にもいたが以下の通り敗れている。
 
 4番人気 イブキパーシヴ 15着 桜花賞2着以来の出走 
 1番人気 エアグルーヴ  10着 オークス1着以来の出走
 
また、ファビラスラフィンは上記一覧のようにここまで4戦のキャリアしかなく、しかも距離は1600Mまでしか経験しておらず、これまでの出走は阪神・東京のみで京都は初コースでもある。そうした不利な条件が重なっても何故勝てたのかといえば、これらの条件は力が一枚抜けていれば克服可能な許容範囲であったからだ。
 
まず、長期休養明けという点だが、「toto&競馬情報メール−3」で紹介した一般的な限界休養期間のシキイ値は超えておらず、100%は無理でも60%〜70%ならば力を出せる可能性のある期間内であり、一枚抜けた力があることを前提にすれば克服可能と判断出来る条件であった。
 
次に距離についてだが、当時はNZTから1ハロン伸びて大敗したNHKマイルCの内容を不安視する見解もあったものの、全成績を見ればある程度スタミナを要求されるコースである阪神・芝1600Mのさわらび賞を完勝しており、小回りで直線が平坦の京都2000Mならば距離が原因で敗れる可能性は小さい。
 
NHKマイルCで敗れたのは、距離云々よりも牝馬には禁忌である短期間に多回数の全力勝負を避けたものと推察され、それは上記の馬体重の変遷からも伺えるところである。かつて、秋華賞がエリザベス女王杯・2400Mで行われていた時代に、連続勝負を避けてオークスで敗れその結果「距離不安」を指摘された桜花賞活躍馬が2400Mで巻き返すことがあったのと同じパターンと考えられる。
 
最後に初コースという点で問題になるのは、不慣れなコース形態による展開の不利や輸送・物見によるマイナスである。しかし、ファビラスラフィンはスピード十分の先行馬なので、ごちゃつくが先行馬がレースを作ることが出来る京都の内回り2000Mに不安は少なく、ま春に東京遠征を経験しておりその当時特に問題はなかった馬でもある。
 
すなわち、ファビラスラフィンは少なくとも6割から7割の力を発揮出来る状態と考えられ、新馬〜G2を3連勝した地力を持ってすれば十分好勝負と判断出来たわけだ。そして、結果としてはこのレースをやや緩めの造りを思わせる458Kで勝ち、450Kまで絞った休養明け2走目の次走にジャパンカップ連対という快挙を成し遂げるのである。

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女子マラソンが教えてくれること−6 [2003年09月08日(月)] 
馬券予想理論(復刻)−13〜17の続編となります。
 
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【2003年 世界選手権】
 
馬券予想理論(復刻)−15でも述べた通り、五輪や世界選手権のような順位を争うマラソンは、スローペースの展開の中でペースを上げ下げして、自分より先に相手を疲れさせ脱落させようとする駆け引きが重要となるので、結果の予想をする場合に最も重視すべきポイントは、競馬のG1レースと同様に強敵相手のレース経験、実績の有無である。
 
但し、世界選手権には五輪ほどのステータスがなく、経験不足の選手でも素質で通じる傾向がある。今回も圧倒的な記録を持つポーラ・ラドクリフ選手、シドニー五輪1着の高橋尚子選手、前回世界選手権1着のリディア・シモン選手が出場せず、いわば準オープンクラスのメンバー構成であった。
 
従って、参加した日本勢には経験、実績ともに十分という選手はいなかったものの、最先着でメダルを獲得すればアテネ五輪代表に内定というモチベーションが加わっていたこともあり、勝負度合いから今回も上位を争うと予想された。
 
さて、今回のパリのマラソンコースは小刻みなアップダウンと石畳の悪路とにより比較的時計がかかるコースであり、高温になると耐久型のレースになる傾向があるが、反面長く厳しい坂はないので気温が低くイーブンペースで流れると早い時計の決着になる可能性もあり、競馬風にいえば気候と展開が結果に大きく関わるという意味で予想が難しい面があった。
 
toto&競馬情報メールに掲載した予想記事ではその辺りを勘案し、ある程度気温が高くなりラスト3〜5キロの粘りあいになった時には、駆け引き、暑さ、悪路、臨戦過程に不安が少ないスベトラーナ・ザハロワ、国際経験、悪路、夏場実績がある千葉真子、逆に速い流れになったときには、持ち時計が頭一つ抜けているキャサリン・ヌデレバ、マラソン2戦2勝で低温レースでの持ち時計がある野口みずき、この4選手を優勝候補として取り上げた。
 
結果はご存知の方も多いことと思うが、気温が上がらない中で前半はイーブンペースのスロー、残り10キロからが極端に早いという駆け引きよりもスピードに優れるタイプの選手に有利なに流れとなり、キャサリン・ヌデレバ選手が競馬でいえば本命馬が3コーナーからまくって安全勝ちを目指すようなレース運びで完勝した。
 
競馬でも能力判定にラップタイムの分析は欠かせないが、キャサリン・ヌデレバ選手は35キロから40キロの間が15分58秒という飛びぬけたスプリットタイプであり、スムーズにレースを運べれば抜群に強い選手であることが証明されたレースであったといえるだろう。
 
2着に健闘してアテネ五輪代表内定を獲得した野口みずき選手は、集団の中で厳しいマークにはあったものの、ペースの上げ下げや高温といった未経験の部分が余り問われずに特色であるスピードが生きる展開となって力を出し切ったレースであった。逆にある程度溜めて10000Mで培った末脚で勝負する千葉真子選手にとっては、上がりが早すぎる展開となり勝負どころで置かれてしまったが堅実な差しで3着を確保した。(次回へ続く)

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女子マラソンが教えてくれること−7 [2003年09月10日(水)] 
前回の続きになります。尚、toto&競馬情報メールに掲載した予想は、競馬の定量G1のセオリー通りに格重視を基本線にしたことと前日の男子マラソンの結果から国別の勝負気配を読んだことが奏功して、前回掲載したように優勝候補に推奨した4名中3名が1着〜3着となり、競馬予想に擬えれば三連複、馬連、ワイドが的中という結果でした。
 
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【2003年 世界選手権&アテネ五輪展望】
 
メダルを獲得した野口選手、千葉選手以外に日本からは3選手が参加していたが、その中でマラソンの経験は3着が1回のみだがその時のタイムが初マラソン世界歴代2位という、スピードランナーの坂本直子選手が展開が向いたこともあり4着と健闘した。
 
ちなみに、その坂本選手が3着となった世界陸上の代表権を賭けた今年の大阪女子マラソンでは、野口選手が優勝、27秒差で千葉選手が2着、6秒差で坂本選手が3着であり、世界陸上は2着野口選手と3着千葉選手が55秒差、3着千葉選手と4着坂本選手が16秒差という結果であった。
 
すなわち、ラップ、コースの差で各選手のタイム差がほぼ倍になったものの序列は代表権を賭けて戦った大阪女子マラソンと変わっておらず、これは以前有森選手の項目でも述べた通り、トップクラスの各選手が万全に仕上げて同じような条件でレースを行うと序列(格)は簡単に崩れないということを示している。競馬の定量G1においても同様のことが云え、格がモノを云うレースでは奇をてらうだけの予想は通用しない。
 
日本から参加した残り2選手の内、大南敬美選手は前回の世界選手権は大敗したもののその後マラソンは2連勝であり、スピード不足を補える展開となれば上位を伺える実績を残していたが、転倒というアクシデントに加えて決め足勝負という不向きな展開となり27着に止まった。
 
松岡理恵選手は去年のパリマラソン2着とコース経験があったが、予想段階でも指摘した通り調整過程に順調さを欠き途中棄権となった。女性ランナー(競馬の牝馬)は臨戦過程に順調さを欠くと、男性ランナー(牡馬)よりもマイナスの影響が大きく力を発揮できないことが多い。
 
さて、世界陸上は出場枠が5名であるが五輪は3名なので内定の野口選手以外に出場出来る日本選手は2名であり、今後開催される東京、大阪、名古屋の女子マラソンの結果により決定される。
 
代表候補の一番手はシドニー五輪1着、その後一時は世界最高となるタイムをマークしてベルリンマラソンを2連勝した高橋尚子選手。来年に備えて最も早く開催される東京女子マラソンを予定しているが体調が万全ならば勝って代表権利獲得の可能性が高い。
 
現在女子マラソン界で最強の呼び声が高いのは圧倒的な記録を持つポーラ・ラドクリフ選手であるが、世界陸上へは「体調不良」を理由に参加しなかった。一部には厳格な薬物検査を嫌ったとの観測もありアテネ五輪への出場も不透明である。また、シドニー五輪2着、前回の世界陸上優勝の強豪のリディア・シモン選手は産休明けでありアテネ五輪へ万全の状態で望めそうに無い。
 
アテネ五輪は長い坂のあるコースで気温が高い条件が予想されるが、高橋尚子選手がそうした条件を得意にしているのに対し、今回の世界陸上優勝のキャサリン・ヌデレバ選手は高温・坂コースで好走した経験はない。すなわち、今後トラックから都市マラソンを経て台頭して来る「上がり馬」的な選手に怪物クラスがいなければ、高橋尚子選手が順調に代表となった場合アテネ五輪でも優勝候補である。

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